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2022年度の研究・事業への助成応募件数は、19件でした。
2023年4月14日 秋田キャッスルホテルにて助成金贈呈式を行いました。

2023年度の募集は10月1日〜翌年1月31日を予定しております。
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テーマ【「コラボヘルス秋田モデル」の開発-企業・保険者・業界団体・大学の
       4者で新しい健康経営モデルを協創し生涯現役社会を実現する-】〔助成金 100万円〕

山崎 貞一郎 様  

秋田大学大学院医学系研究科 衛生学・公衆衛生学講座 助教

・具体的な取組み及び期待される効果

 慢性的な人手不足を解消する手段として健康経営により従業員の生産性を高め、それによって企業の採用力を向上させることが考えられる。今回、限られた資源のなかでも健康経営に取り組める企業を増やすことを目的に、従来、事業主と保険者で行われているコラボヘルスに業界団体と大学を加えた新しい健康経営モデル「コラボヘルス秋田モデル」を構想した。大学が加わることで健康課題の明確化や詳細なデータ分析が可能となり、業界団体が加わることで事業の取りまとめや企業間の情報交換が容易になる。本事業では4者が協働し、従業員の健康課題の発見から健康経営事業の計画・実施、効果判定までのPDCAサイクルを回す。本事業により健康経営に取り組む企業が増えれば、業界全体の生活習慣病の減少や労働生産性の向上が期待できる。

テーマ【「持続可能なジュンサイ生産を目指した試み
​                     :有用微生物の探索と分離】〔助成金 50万円〕

竹下 和貴 様  

秋田県立大学生物資源科学部 応用生物科学科 助教

・具体的な取組み及び期待される効果

 ジュンサイは秋田県を代表する特産品(あきた伝統野菜)の1つである。しかし近年、農家の高齢化に加え、栽培方法が確立されておらず毎年の収量が安定しないことや買取単価が安いことなどを原因に、その出荷量および栽培農家数は減少の一途を辿っている。本研究では、申請者が専門とする“微生物との共生”に着目し、ジュンサイの生育に有用な共生微生物を利用することにより、ジュンサイの安定的な栽培方法を確立することおよびジュンサイの高品質化(高価格化)を検討することを目的とする。本助成期間中では目的達成のための第一歩として、ジュンサイ粘性物質に特異的に存在する共生細菌を同定し分離培養することを目標とする。本研究を礎とし発展させることで、ジュンサイ農家が直面している課題の一部を解決し、秋田県の特産品ジュンサイの持続可能な生産の実現に貢献したい。

テーマ【演劇的手法を活用した軽度認知機能低下(MCI)の
​                    認知機能や身体機能に関する検討】〔助成金 50万円〕

わたなべ のぶこ 様  

一般社団法人わらび座 公演事業部 エグゼクティブマネージャー

・具体的な取組み及び期待される効果

 わらび座ならではのミュージカル研修プログラムを介入方法とし軽度認知機能障害(Mild cognitive impairment;以下、MCI)の方を対象に(65歳以上の男女各10名)認知機能や身体機能(フレイル等)にどのような影響があるのかを6ヶ月間取り組む。MCIを有する高齢者は身体機能も衰えている可能性が高い。認知機能と身体機能の改善効果について検証したい。ミュージカルのダンスは手をあげることが機械的(運動的)ではなく、なぜ上にあげるのか(目的)どこに向かって(気持ちの動き)どんな世界が広がるのか(周りを感じてひとりではない)・・人への関心自身への問いかけ感動は歌・踊り芝居の中に必ず存在する。全員が主体的に日々輝き喜びワクワクする気持ちや達成感の共有も生まれる。ミュージカルは複合的な介入で、精神的な影響を及ぼす可能性もある。本研究は、情動をも刺激するマルチコンポーネントな介入を行うことで、高齢者に多いMCIがどの程度リバージョンするのかを明らかにする。

テーマ【白神山地に関する文化的基礎的資料の深化と活用
​               ~環白神地域の可能性と課題の探求~】〔助成金 50万円〕

山下 祐介 様  

東京都立大学人文学科研究科 教授

・具体的な取組み及び期待される効果

 世界自然遺産白神山地の遺産登録30周年にあたり、その文化的価値について資源を整理し、その活用を提案する。昨年度作成の報告書をもとに、白神山地の文化資源についてさらに細かく調査を重ね、とりまとめる。昨年度の調査に引き続き、東京都立大学社会学教室の社会調査実習を活用して白神文化資源調査を継続、7市町村担当者および各学芸員および白神ガイドの方々のご協力を仰ぎながら白神資源の深掘りを行う。本研究成果をもとに、環白神エコツーリズム推進協議会と連携して、2024年度以降に白神検定/白神学ツアー/検定の教科書出版を企画しており、2023年度はこれらの企画の一部を、実習参加学生とともに試行もしたい。これらをもとに新たな報告書を作成し、遺産登録30周年記念事業のための基礎資料として提供する。

テーマ【白神の森乳酸菌を用いた「心の健康増進」と
​                「白神山地を中心とした地域活性化」】〔助成金 50万円〕

奥野 海良人 様  

柴田学園大学生活創生学部 健康栄養学科 准教授

・具体的な取組み及び期待される効果

うつ病の発症要因は完全には明らかにはなっていないが、不可欠アミノ酸でありセロトニンなどの神経伝達物質に変換されるトリプトファンの代謝の撹乱が要因の一つであると考えられている。トリプトファン代謝の撹乱は、炎症によって引き起こされる酵素(IDO)の活性化に起因することが知られている。

そこで本研究の目的は、国立大学法人弘前大学の研究成果物であり株式会社ラビプレが独占使用権を保有する白神山地固有の乳酸菌(ブナ子実体由来およびキハダ葉由来)が、炎症を抑制しトリプトファン代謝を正常化することで、うつ病の治療や予防に対する効果を有するというエビデンスの一端を得ることである。これにより当該乳酸菌に「心の健康を増進する」という価値を付与し、世界に向けた販売を促進する。これらのことは広く人々の心の健康に資するとともに、白神山地を有する青森県や秋田県での微生物関連事業の振興につながると期待される。

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