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2020年度の研究・事業への助成応募件数は、15件でした。

2021年4月16日 秋田キャッスルホテルにて助成金贈呈式を行いました。
助成金贈呈式は新型コロナウィルス感染拡大防止の観点から、受賞者及び関係者のみの少人数にて短時間での開催とさせて頂きました。

2021年度の募集は2021年10月1日〜翌年1月31日を予定しております
財団助成2020.JPG
テーマ【秋田県内にシニアミュージカル劇団をつくろう!】〔助成金 100万円〕

わたなべ のぶこ様  

わらび座劇場事業本部 エグゼクティブ・マネージャー

・具体的な取組み及び期待される効果

 演劇的手法を用いて高齢者が社会参加し活躍できるためのシニアの人材育成をテーマに、秋田大学の高齢者医療先端研究センターの大田秀隆センター長のご協力を頂き、約半年に渡って、日本の歌、踊りを取り入れたわらび座ならではの演劇研修プログラムを介入方法とし、医学的に認知機能や身体機能(フレイル等)にどのような影響があるかを明らかにしていきます。このわらび座の演劇的手法による介入方法は、高齢化対策が必要な秋田県独自の介護予防事業として、他の地域への活用や全国への普及のモデルケースとして期待されます。秋田創立70年のわらび座が、秋田の人々と生み出してきた文化の力を生かして、「秋田県はシニア世代の聖地」と言われるよう科学的にも立証したいと思います。

 テーマ【秋田県独自の衛生管理による日本酒の高品質化への取組み】〔助成金 50万円〕

上原 智美〔ウエハラ トモミ〕様   

秋田県総合食品研究センター 醸造試験場酒類グループ 主任研究員

・具体的な取組み及び期待される効果

 日本酒を含むアルコール飲料は、アルコールと低pHにより病原微生物由来の食中毒事例はない。しかし醸造中に混入した微生物の影響により、日本酒にスモーク臭や水カビのような好ましくない香り(オフフレーバー)が発生することがある。このようなオフフレーバーの生成は商品価値を著しく低下させる。本研究では、スモーク臭の主成分である4-ビニルグアヤコール(4-VG)に焦点を当て、酒蔵から単離・同定した微生物を用いて4-VGの生成に関与する遺伝子を探索する。最終的に、酒蔵での実用化を目的とした「微生物を見える化」する遺伝子検査法の実用化を目指す。このような研究は全国初の取り組みであり、秋田県の日本酒の高品質化およびブランド力の強化に寄与する。

 テーマ【8ミリフィルム映像の分析・
      アーカイブ化-映像にみる秋田の昭和の記憶と街の変化】〔助成金 50万円〕

石山 友美〔イシヤマ トモミ〕様   公立大学法人 秋田公立美術大学    准教授

・具体的な取組み及び期待される効果

本研究は、昭和期に広く一般に普及した8ミリフィルムに焦点をあて、個人によって記録されたそれらの映像を、マスメディアが捉えることのできなかった昭和期の地域景観の歴史的映像として見直すとともに、地域コミュニティの現状と照らし合わせ、地域の共有財産としての存在意義を明らかにすることを試みる。本研究は、全国トップクラスで人口減少と少子高齢化が進む秋田県内に対象地域を絞り、①8ミリフィルムを収集し、そのフッテージについて、映画分析の手法を使い分析・分類した上で、②それらを短尺に編集することで、作品化し、③新たなデジタルデータとして、フィルム自体とともにアーカイブ化し、上映会などを通して広く市民に公開していく。

 本研究の期待される効果として、「個人の記憶」と「公の記録」といったこれまでそれぞれ不可侵であった二つの中間領域において、8ミリフィルムの郷土資料的な価値を再構築し、今後のコミュニティづくりの参考となるような映像資料として貢献できるのではないかと考えている。

 テーマ【秋田県内清酒粕給与による比内地鶏のブランド力強化】〔助成金 50万円〕

伊藤 謙〔イトウ ケン〕様  公立大学法人 秋田県立大学生物資源科学部アグリビジネス学科 助授

・具体的な取組み及び期待される効果

   秋田県は酒造が盛んであり、同時に産出される清酒粕の処理方法が課題となっている。養鶏では、飼料原料としてトウモロコシや大豆を使用するが、そのほとんどは海外からの輸入である。そのため、価格や安全面などにおける飼料コストの削減が課題となっている。以上の2点を同時に解消するため、秋田県内で廃棄される清酒粕を比内地鶏の飼料として活用できるか試み、さらに清酒粕が比内地鶏に与える効果を科学的に検証する。本研究成果は県内の酒蔵の負担を軽減するとともに、県内の地鶏である比内地鶏の生産性やブランド力の強化が期待される。

 テーマ【未利用資源「渋柿」の食品加工技術開発を主軸とした、
​         六次産業・地域産業振興による雇用創出と地域活性化】〔助成金 50万円〕

木村 貴一〔キムラ キイチ〕様  秋田県総合食品研究センター 開発グループ 上席研究員

・具体的な取組み及び期待される効果

渋柿の革新的食品加工技術の開発に取り組み、県内各地の農産加工所などへ積極的な技術普及を行う。秋田県内の随所で栽培され収穫されていない渋柿を、秋田県の特産物へ昇華させる。短期的には、栽培・収穫から食品加工、販売に至る六次産業と地域産業振興を目指す。将来的には、渋柿栽培面積の拡大と地域雇用の増加及び若年層の定住を目指す。また、未収穫の渋柿を狙って人里に降りてくる野生動物被害を軽減できると期待している。渋柿を利用することで全県同時に効果を得られることから、米や比内地鶏と肩を並べる特産品にまで一気に発展できると期待している。

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